窓の見栄えを良くしたい、費用を抑えたいと考えて自分でアルミサッシの窓枠を作ろうとしているあなたの不安はよくわかります。
ただし採寸ミスや切断精度、防水処理の甘さが原因で隙間や雨漏りに悩むケースが多く、初心者ほど注意が必要です。
この記事では採寸から材料選び、工具準備、切断・組み立て、取り付け、完成検査まで実践的に解説し、失敗しないポイントを具体的に示します。
必要工具と材料一覧や寸法の注意点、防水と気密の施工法、メンテナンスまで網羅しているので作業前の確認に役立ちます。
まずは基本の採寸から安全に始めるコツを本文で詳しく紹介するので、このまま読み進めてください。
アルミサッシの窓枠をDIYで作る手順と注意点

アルミサッシの窓枠を自分で作ると、コストを抑えつつ自由な設計が可能になります。
ただし加工精度や防水性が仕上がりの鍵になりますので、手順を守って慎重に進めてください。
採寸
まずは開口部の有効寸法を正確に測ります。
高さと幅だけでなく、左右および上下の隅から隅までの対角長も測り、歪みを確認してください。
測定は複数回行い、記録を残しておくとミスを防げます。
開口の仕上げ材や内法の厚みも考慮に入れて、取り付け後のクリアランスを決めます。
材料選定
用途に合わせたアルミ材と付属部品を選ぶことが重要です。
材料 | 選び方 |
---|---|
アルミ角材 | 肉厚のあるもの |
ビス・ボルト | ステンレス製 |
シーリング材 | 耐候性の高いもの |
表は代表的な組み合わせを示しています、実際には使用環境や荷重を考慮して選定してください。
断熱性が必要な場合は、気密パッキンや断熱材の併用を検討すると良いです。
工具準備
作業に必要な工具を揃えておけば、作業時間を短縮できます。
- 電動ドリル
- アルミ用切断刃
- メジャー
- サンドペーパー
- クランプ
安全保護具も忘れずに用意してください、保護メガネや手袋は必須です。
アルミ切断加工
切断は慎重に行い、切断面のバリ取りを徹底すると後工程が楽になります。
切断前に保護テープを貼り、寸法を二重に確認してから刃に当ててください。
45度カットなどの角度加工は治具を使い、正確に保持してから切断することを推奨します。
切断時は低回転での切削、過熱防止のための休止を挟むと切断面が美しくなります。
組み立て
角材を仮組みして寸法と直角を確認します。
コーナーはボルト締めやリベット留めで強度を確保し、接合部にはシール材を併用してください。
穴あけは位置決めを慎重に行い、先に下穴を作ってから本締めをします。
組み立て後にはフレーム全体のねじれや遊びをチェックし、必要があれば補強を行ってください。
取り付け
窓枠を開口部に当て、水平と垂直を再度確認してから固定を始めます。
シムやスペーサーで均一なクリアランスを確保し、アンカーボルトやビスでしっかり固定してください。
固定後はシーリング材で周囲を防水処理し、余分なシーリングは丁寧に拭き取ります。
取り付け時には内部と外部の動線を考慮し、開閉の干渉がないか試験的に動かして確認してください。
完成検査
最後に開閉動作のスムーズさと各部の締まり具合を点検します。
雨を想定した水掛けテストで、漏れや滞水がないかを確認することをおすすめします。
シーリングやビスの緩みがないか、再度チェックして必要があれば増し締めしてください。
見た目の仕上がりも確認し、塗装や仕上げが必要なら最終調整を行います。
必要な工具と材料一覧

アルミサッシの窓枠をDIYで作る際に必要な工具と材料を、用途や選び方のポイントとともに整理します。
準備不足は作業の手戻りや仕上がりの悪化につながりますので、事前に揃えておくことをおすすめします。
アルミ角材
枠の強度や見た目は角材の断面寸法と押出し形状で大きく変わりますので、用途に応じて選んでください。
表面処理は陽極酸化(アルマイト)や塗装品があり、屋外での耐候性を重視する場合は処理品を選ぶと長持ちします。
厚みが薄すぎるとねじ留めで変形しやすく、厚すぎると加工や取り付けが大変になりますので、現場寸法に合わせて選定してください。
種類 | 代表用途 |
---|---|
角材30×30 | 小窓用 |
角材40×40 | 標準枠 |
平角材20×40 | 補強用 |
レール形状 | 引き違い用 |
電動ドリル
下穴開けやビス締め用に、トルク調整ができる電動ドリル(インパクトドライバー併用推奨)を用意してください。
コード式は安定した回転を保ち、充電式は取り回しが良いので現場に合わせて選ぶと作業効率が上がります。
メタル用のドリルビットを揃え、冷却や潤滑を行いながら速く深く開けすぎないよう注意してください。
アルミ用切断刃
アルミ切断には非鉄金属用のチップソーや、細かい刃を持つバンドソーブレードが適しています。
刃の歯数が多いと切断面のバリが少なくなり、バリ取り作業を減らせますので用途に合わせて選んでください。
切断時はクランプでしっかり固定し、切削油や潤滑剤を使って発熱と焼き付きの発生を抑えるときれいに仕上がります。
メジャー
正確な採寸は成否を左右しますので、巻尺だけでなくノギスやスケール、レーザー距離計を組み合わせて使うと安心です。
窓の有効寸法や嵌合クリアランスはミリ単位で管理してください。
測定は複数回行い、記録を残しておくと後作業での混乱を防げます。
ビス・ボルト
アルミ枠の固定には腐食に強いステンレス製のビスやボルトを基本に選ぶと長期的に安心です。
ねじ山や頭形状は用途で使い分ける必要がありますので、下のリストを参考にしてください。
- ステンレス皿ビス
- ステンレスナベビス
- セルフタッピングビス
- 六角ボルトとナット
- ワッシャー各種
締め付けトルクはアルミ材の変形を防ぐために適正値を守り、必要なら座繰りや座金で力を分散してください。
シーリング材
アルミと建物との取り合いには、接着力と耐候性の高い変成シリコン系やポリウレタン系のシーリング材が向いています。
アルカリ性のプライマーが必要な製品もありますので、使用前にメーカーの取り扱いを確認してください。
バックアップ材の使用や適正な幅深さを確保して、目地の伸縮に対応させることが重要です。
サンドペーパー
切断面や加工面のバリ取りには、粗めのペーパーから細かい番手へ段階的に仕上げると美しくなります。
一般的には120番で面を整え、240番〜400番で仕上げると塗装やシーリングの密着が良くなります。
細かい面は布やスポンジに巻いて使うと力が分散され、角の潰れを抑えながら磨けます。
取り付け時の寸法と採寸ポイント

アルミサッシを正確に取り付けるためには、寸法の取り方と採寸ポイントを最初に押さえることが重要です。
正しい採寸が仕上がりの精度や気密性、防水性に直結しますので、丁寧に進めてください。
開口部の有効寸法
開口部の幅と高さは必ず複数箇所で測る必要があります。
上、中、下の幅を測り、左右それぞれの高さも測定してください。
複数値のうち最も小さい数値を有効寸法の基準にすることをおすすめします。
これは下地の歪みや施工後の沈み込みを考慮した安全側の判断になります。
また、枠の埋め込み深さや既存の仕上げ材厚も忘れずに測ってください。
嵌合クリアランス
嵌合クリアランスは、熱膨張や施工誤差を吸収するために必須です。
特にアルミは温度変化で膨張しやすいので、クリアランスは余裕をもたせてください。
部位 | 推奨クリアランス |
---|---|
枠と開口部 | 5mm程度 |
上下の隙間 | 3mm程度 |
ガラスと枠 | 2mm程度 |
上の表は一般的な目安です。
窓の大きさや設置環境によっては、これより広めにとることが必要になります。
クリアランス不足は取り付け後の歪みやシール不良の原因になりますので注意してください。
取り付け位置マーキング
取り付け位置のマーキングは、作業の精度を左右しますので丁寧に行ってください。
- 水平基準線を引く
- 左右の中心を出す
- 取付金具位置を記す
- クリアランス位置を表示する
レーザーレベルや水平器で基準線を引くとズレが少なくなります。
屋内外の仕上がりラインを双方確認し、同じ基準でマーキングするようにしてください。
水平垂直確認
取り付け前には水平と垂直を確実に確認してください。
水平器だけでなく、対角線を測って矩形が正しいかを確認することが近道になります。
対角線の差が少ないほど、枠の歪みは小さいと判断できます。
若干の狂いがある場合はシムやパッカーで調整し、固定してから最終確認を行ってください。
固定後にも再度水平垂直と前後の立ち上がりをチェックして、必要なら微調整をお願いします。
防水と気密の施工ポイント

アルミサッシの性能を左右する大切な要素が防水と気密です。
ここでは実際の施工で失敗しないためのポイントを具体的に説明します。
シーリング処理
シーリングは雨水の侵入を防ぎ、気密性能を維持する最も基本的な処理です。
目地幅や部材の動きに応じて、適切なシーリング材を選定してください。
一般的には変成シリコーン系やポリウレタン系が使われますが、用途により硬化特性や耐候性を確認する必要があります。
施工前に接着面の油分やゴミを確実に除去し、プライマーが必要な場合は指示通り塗布してください。
バックアップ材を使って目地深さを調整すると、充填量を最適化でき、シーリング材の追従性が向上します。
ヘラで均す際は表面をツールで整えて、空気が残らないように仕上げてください。
硬化中は雨やほこりが付着しないように養生し、メーカー指定の養生時間を守ることが重要です。
気密テープ
気密テープは局所的な隙間を埋めて、室内外の空気の流れを抑える役割があります。
施工は下地の清掃を行った後、テンションをかけすぎずに貼るのがコツです。
- ブチル系気密テープ
- アクリル系気密テープ
- 発泡ウレタン気密テープ
- 自己融着型ラバーシート
テープは重ね代を十分にとり、継ぎ目が二重三重にならないようにつなぎ目処理をしてください。
施工後は押さえローラーなどで密着を確認すると長期的な気密保持に効果があります。
防水テープ
サッシ周りの外側には防水テープを用いて連続した防水層を作ることが望ましいです。
種類 | 特徴 | 推奨箇所 |
---|---|---|
常温接着型防水テープ | 伸縮性に優れる | 外壁とサッシの取り合い |
加熱溶着型防水テープ | 高耐久で水密性が高い | ベランダ境界部 |
自己融着ラバー系テープ | 複雑形状にも追従する | 配管貫通部周り |
貼付け時は下地が乾燥していることを確認し、しわや気泡を残さないように丁寧に施工してください。
重ね代をメーカー推奨値以上確保すると、接合部からの浸入をさらに防げます。
排水勾配
サッシの下枠や水切り部分には確実な排水勾配を設けることが不可欠です。
一般的な目安は1パーセントから2パーセントの勾配ですが、現場条件に合わせ調整してください。
排水経路を塞ぐと内側に水が溜まり、シーリングやテープの劣化を早める原因になります。
ウィープホールやドレインの位置を確認し、詰まりがないか点検してから仕上げてください。
最後に散水試験などで水の流れを確認し、必要なら再調整を行って完了としてください。
補修・メンテナンスと耐久性向上

アルミサッシは適切な補修と定期的なメンテナンスで寿命を大きく延ばすことができます。
ここでは点検の頻度や具体的な作業、長持ちさせるためのコツを分かりやすく解説します。
腐食点検
まずは外観の点検を行ってください。
枠の角や水が溜まりやすい溝、ネジまわりなどを重点的に見てください。
白っぽい粉が出ている場合はアルミの腐食が進んでいるサインです。
腐食が見つかったら軽くブラッシングして汚れを落とし、深い腐食は専門業者に相談することをおすすめします。
点検の頻度は屋外環境や海に近いかどうかで変わりますが、年に一度は慎重にチェックしてください。
可動部の給油
可動部の動きが渋くなってきたら給油で改善することが多いです。
戸車やレール、ヒンジ部分に汚れがたまっていると傷みの原因になります。
給油の前には必ずレールや戸車の埃を取り除き、適切な潤滑剤を選んでください。
- シリコンスプレー
- 浸透性オイル
- リチウム系グリース
使用後は余分な油分を拭き取り、動作を確認してから日常使用に戻してください。
シーリングの打ち替え
シーリングは防水と気密の要ですから、ひび割れや剥離が見られたら早めに打ち替えましょう。
古いシーリング材をきれいに撤去し、接着面を脱脂してから新しいシーリング材を充填するのが基本作業です。
材料 | 推奨タイプ |
---|---|
シーリング材 | 変成シリコン |
プライマー | アルミ用プライマー |
ヘラ | プラスチックヘラ |
変成シリコンはアルミへの密着性と耐候性に優れており、色褪せしにくいメリットがあります。
施工後はメーカー指定の養生時間を守り、完全硬化するまで強い雨や摩擦を避けてください。
塗装の再仕上げ
アルミ表面の塗装が剥がれてきた場合は、再塗装で美観と耐久性を回復できます。
まずはサンドペーパーで旧塗膜の浮きを取り、目荒らしを行ってください。
必要があればアルミ専用のプライマーを塗布し、十分に乾燥させてから仕上げ塗装を行ってください。
耐候性の高いフッ素系やウレタン系の塗料を選ぶと長持ちします。
塗装は温度や湿度で乾燥時間が変わるため、天候条件を確認してから作業してください。
作業を始める前の最終確認

アルミサッシの窓枠をDIYで作業する前に、採寸と材料、工具の準備状況をもう一度確認してください。
安全装備の着用や作業スペースの確保、天候のチェックも忘れないでください。
取扱説明やメーカーの推奨寸法、シーリング材の適合性など、設計図と照合して問題がないか確認します。
これらを怠ると手戻りや不具合につながりますので、計画的に進めて安心して作業を始めてください。