寒い季節、お風呂に入ると窓際からの冷気で震えてしまった経験はありませんか。
浴室の窓は構造上熱が逃げやすく、結露や隙間が暖房効率を下げる原因になっています。
本記事では自分でできる手軽な対策を、材料ごとの特徴や短時間でできる施工手順までわかりやすく解説します。
隙間テープ、断熱フィルム、内窓の後付け、プチプチやスタイロフォーム、発泡パネル、断熱カーテンといった実用的アイデアを比較して紹介します。
工具や防水処理、結露対策など安全面のポイントも丁寧に解説します。
短時間でできる順に並べるので忙しい人でも取り組みやすいです。
まずは今の窓に合った方法を見極めるチェックポイントから始め、続きを読んで最適な一手を見つけましょう。
お風呂の窓の寒さ対策をDIYで徹底ガイド

お風呂の窓は冬場の冷気侵入や結露の原因になりやすく、快適さと省エネの両方で対策が求められます。
ここでは費用、手間、効果のバランスを考えたDIY対策を具体的に紹介します。
素材別の特徴や短時間でできる施工順、注意点までカバーしますので、初心者でも取り組みやすい内容にしています。
隙間テープ
隙間テープは窓枠とサッシの隙間を埋めて冷気の侵入を抑える、最も手軽な対策です。
耐水性や耐久性の高いシリコン系やEPDM製のものを選ぶと、浴室の湿気で劣化しにくくなります。
貼り付け前に枠をよく拭き、サイズを測ってカットすると仕上がりがきれいになります。
押し込みやすいティッシュを下に挟みながら貼るとずれにくくなり、長持ちさせられます。
断熱フィルム
断熱フィルムは窓ガラスに貼るだけで紫外線カットや断熱効果が期待できる方法です。
透明度の高いタイプは景観を損なわずに使える利点があります。
タイプ | 対象窓 | 主な特徴 |
---|---|---|
透明タイプ | 浴室の窓全般 | 視界を確保 |
すりガラスタイプ | 目隠しが必要な窓 | プライバシー確保 |
断熱強化タイプ | 寒さが厳しい窓 | 断熱効果大 |
貼る際はガラス面の油分をしっかり落とし、気泡を押し出すように施工すると美しく仕上がります。
内窓の後付け
既存の窓の内側にもう一枚窓を取り付ける内窓は、断熱性能が高く冷気と音を大幅に軽減します。
DIYで取り付ける場合は測定を正確に行い、専用の枠材を使うことが重要です。
浴室のような高湿環境では、アルミ枠よりも樹脂製の枠材を選んだほうが腐食に強くおすすめです。
取り付け後は隙間がないかを確認し、必要に応じてシーリングを行うと気密性が向上します。
気泡緩衝材(プチプチ)
気泡緩衝材はコストが非常に低く、短期間で効果を確かめたいときに便利な方法です。
- 安価
- カットが容易
- 浮力がある素材
- 吸水には注意
透明タイプを窓に貼ると光を通しながら断熱でき、試しに使うには最適です。
スタイロフォームボード
スタイロフォームは高い断熱性を持つ硬質の断熱材で、窓枠に合わせて切ればしっかり保温できます。
固定には専用の両面テープやフックを使い、湿気対策として表面に防水シートを貼ることをおすすめします。
見た目が気になる場合は内窓のように枠内に収めるか、仕上げ板で覆うと見映えが良くなります。
発泡パネル
発泡パネルは軽量で扱いやすく、既成サイズを組み合わせるだけで短時間に施工できます。
浴室用には耐水性のある被覆付きタイプを選ぶと安心です。
パネル同士の隙間はテープやシーリング材でしっかり密閉すると効果が高まります。
断熱カーテン
断熱カーテンは取り付けが簡単で、窓だけでなく浴室全体の保温にも役立ちます。
防カビ加工や撥水加工のある製品を選ぶと浴室の環境に適応しやすくなります。
カーテンレールはサビに強い素材を使い、吊り下げ高さを工夫すると隙間風を防げます。
夜間だけでなく入浴中も使えるように、取り外ししやすいタイプを選ぶと便利です。
材料別の特徴と選び方

お風呂の窓をどう守るかは、素材選びで大きく変わります。
ここでは用途別に分かりやすく比較し、選び方のポイントをお伝えします。
断熱フィルム
窓ガラスに直接貼る断熱フィルムは、手軽に体感温度を上げられる方法です。
施工時間が短く、費用も抑えられるため賃貸でも試しやすい特徴があります。
透明タイプなら日差しを損なわず、乳白色や金属蒸着タイプは断熱性を強化できます。
- 透明タイプ 日射取り入れ重視
- メタリックタイプ 断熱優先
- 曇り止め付き 結露対策
選び方のポイントは、窓の向きと目的を明確にすることです。
寒さを抑えたいのか、結露を防ぎたいのか、日射熱を減らしたいのかで最適な種類が変わります。
貼り替えや剥がしやすさもチェックして、施工難易度と相談して決めてください。
スタイロフォーム
スタイロフォームは発泡スチロールより硬く、断熱性に優れるボード材です。
カットして窓枠に嵌め込むだけで高い断熱効果を期待できます。
厚さや密度で強度と断熱性が変わるため、用途に合わせて選ぶ必要があります。
種類 | 特徴 |
---|---|
押出法ポリスチレンフォーム | 高い圧縮強度 安定した断熱性 |
押出法スタイロフォーム | 水に強い 浴室向けに適する |
厚手タイプ 30mm前後 | 高断熱 窓枠加工必要 |
浴室では水や湿気に強いタイプを選ぶことが最優先です。
切断面に防水処理を施すか、シール材で周囲を固めることをおすすめします。
気泡緩衝材
いわゆるプチプチは最も安価で、簡単に試せる断熱対策です。
空気層が断熱層となり、窓からの冷気を緩和します。
貼り付けは水だけで貼れるタイプや両面テープで固定する方法がありますので、施工の簡単さが魅力です。
欠点は見た目と耐久性で、長期間の使用には向かない場合があります。
試しに短期間だけ使って効果を確認したい場合には最適な選択です。
発泡パネル
発泡パネルは軽量で断熱性能が高く、内窓的な使い方に向いています。
既製品のパネルをはめ込むだけで施工が完了する場合が多いです。
厚みや表面仕上げにより使い勝手が異なりますので、仕上がりの見た目も考慮してください。
浴室用に防水加工がされた商品を選ぶと、カビや劣化を抑えやすくなります。
断熱カーテン
断熱カーテンは夜間の保温や目隠しを兼ねる便利アイテムです。
取り外しが容易で洗濯もできるため、清潔に保てます。
厚手のものほど断熱効果が高く、裏地がアルミコーティングされたタイプはさらに有効です。
窓の形に合わせてサイズを選び、隙間を少なくする取り付けが重要です。
内窓用枠材
内窓を後付けする場合、枠材の選定が仕上がりと性能を左右します。
アルミ製は軽くて加工が楽ですが、断熱性は樹脂製に劣ります。
樹脂製や複合材は熱伝導が低く結露対策に有利です。
防水・防カビの配慮が必要な浴室では、腐食に強い素材を優先してください。
寸法精度が施工の肝になりますので、採寸は慎重に行ってください。
施工手順(短時間でできる順)

お風呂の窓まわりを短時間で確実に断熱するための、実践的な手順を順番にご案内します。
作業は準備と採寸、下地清掃、隙間テープ貼り、断熱フィルム貼り、パネルはめ込み、仕上げと防水の順がおすすめです。
準備と採寸
まずは作業に必要な道具と素材を揃え、窓のサイズを正確に測ってください。
採寸は内枠から内枠までを測る方法と、サッシの見切りから測る方法がありますので、使用する材料に応じて測り方を決めます。
- メジャー
- マスキングテープ
- カッターナイフ
- ヘラとスクイージー
- 隙間テープ
- 断熱フィルムまたはパネル
- シリコーンシーラント
特にパネルを使う場合は、縦横それぞれの内寸を誤差1〜2mm以内に収めると、はめ込みがスムーズになります。
下地清掃
接着面やはめ込み面の汚れは接着力低下や水の浸入原因になりますので、丁寧に落としてください。
まずは固いブラシやスクレーパーで大きな汚れや古いシーリングを取り除きます。
その後、脱脂用の中性洗剤やエタノールで拭き取り、完全に乾燥させてください。
細かい埃は粘着ローラーで除去すると、後の作業が格段にやりやすくなります。
隙間テープ貼り
隙間テープは最も短時間で効果を出せる対策ですので、まずここから着手することをおすすめします。
テープは幅や厚みで性能が変わりますので、窓と框の隙間に合ったものを選んでください。
貼る前にテープの位置をマスキングテープで仮止めし、端から空気が入らないように押さえながら貼り付けます。
コーナー部分は斜めにカットして重ね貼りすると水の溜まりを防げます。
扉や窓の開閉を何度か行い、擦れや干渉がないか最終確認してください。
断熱フィルム貼り
断熱フィルムは比較的短時間で施工でき、視界を保ちながら断熱効果を高められます。
フィルムは窓ガラスよりわずかに大きめにカットし、余白をガラス側から内側に折り込むイメージで貼ります。
貼付けには霧吹きで水溶液を使うと気泡が抜けやすく、スクイージーで中央から外側へ水を押し出してください。
気泡が残る場合はヘラでゆっくり押し出すか、ドライヤーの弱風で温めながら伸ばすと目立たなくなります。
仕上げに余分なフィルムをカッターで切り取り、端をマスキングテープで仮固定して乾燥を待ちます。
パネルはめ込み
発泡パネルやスタイロフォームを使う場合は、採寸精度と角の仕上げが仕上がりを左右します。
まず仮合わせを行い、浮きや引っかかりがないかを確認してから本格的に取り付けてください。
窓タイプ | 推奨パネルサイズ | 備考 |
---|---|---|
引き違い窓 | 内寸マイナス5mm | 片面から取り外し可能にする |
はめ殺し窓 | 内寸ジャストサイズ | 断熱優先で気密を高める |
出窓タイプ | 複数分割パネル | 取り外しやすさを確保 |
隙間には薄手の隙間テープを入れて気密を高め、必要ならばウレタンフォームで止水と断熱を両立させます。
パネル表面には防水シートやアルミテープを貼ると、長期的な耐久性が向上します。
仕上げと防水
最後にシリコーンシーラントなどで周囲をシーリングし、水の浸入経路を塞いでください。
シーラントは必要量を均一に出し、ヘラでならして滑らかな断面に仕上げます。
作業後は24時間以上の硬化時間を確保し、その間は窓に水がかからないよう注意してください。
仕上がりを確認するために湯気の出るシャワーで結露の出方を観察すると、効果の有無がすぐ分かります。
最後に換気をしっかり行い、湿気が溜まらないようにしてメンテナンスのしやすさも考慮してください。
工具と安全上の注意

お風呂の窓の断熱や防水は、正しい工具と安全対策があってこそ効果を発揮します。
ここでは必須工具の選び方から電動工具の扱い方、防水処理の要点と高所作業の注意点まで、実践的にまとめて解説します。
必須工具リスト
まずは基本の工具をそろえてください、準備が作業の効率と安全につながります。
以下のリストは短時間施工から内窓の後付けまで活用できるものを選んでいます。
- メジャー
- カッターナイフ
- 金属定規
- ゴムハンマー
- ドライバーセット
- シリコンガン
- サンドペーパー
- 作業用手袋
電動工具の注意点
電動工具は作業時間を大幅に短縮しますが、取り扱いを誤ると重大な事故につながります。
購入前の確認点と使用時の注意事項を下表にまとめました、使用前に目を通してください。
工具 | 留意点 |
---|---|
電動ドリル | トルク調整 |
丸ノコ | 切断方向の確認 |
サンダー | 削りすぎ注意 |
インパクトドライバー | ネジ飛び対策 |
使用時は保護メガネとマスクを着用し、周囲に人がいないことを確認してください。
バッテリー工具は充電状態と電池の温度管理を行い、異常を感じたら直ちに使用を中止します。
防水処理のポイント
浴室は高湿度環境なので、防水処理は入念に行う必要があります。
シーリング材は浴室対応の防カビタイプを選び、接着面は十分に乾燥させてから施工してください。
シリコンを充填したらヘラで均し、はみ出した部分はすぐに拭き取ると仕上がりがきれいになります。
施工後は24時間程度の硬化時間を確保し、完全に乾くまでは窓の開閉や水濡れを避けてください。
高所作業の安全対策
窓が高い位置にある場合は脚立を正しく設置してください、水平を確認し脚の広げ方を安定させます。
可能であれば二人一組で作業し、工具の受け渡しや転倒時の補助を行うと安全です。
浴室内は滑りやすいため、濡れている場合や雨天時は作業を中止してください、感電や滑落のリスクが増します。
必要に応じて安全帯や滑り止めマットを使用し、無理な姿勢での作業を避けることが重要です。
効果の確認と維持管理

お風呂の窓に施した断熱対策は、施工直後だけでなく長期的に効果を保つことが重要です。
ここでは、自宅でできる簡易測定や観察ポイント、定期点検の目安と補修タイミングについて、わかりやすく解説します。
断熱性能の簡易測定
まずは手軽にできる方法で温度差を把握し、施工の効果を確認しましょう。
測定方法 | 準備するもの |
---|---|
赤外線サーモグラフィ | サーモカメラ |
接触温度計 | デジタル温度計 |
指先チェック | 素手または手袋 |
赤外線サーモグラフィは窓表面の温度ムラを視覚的に確認できます。
デジタルの接触温度計なら、窓枠とガラスの温度差を定量的に測れます。
手軽なのは指先チェックで、ガラスや枠に触れて冷たさの違いを感じる方法です。
測定は同じ時間帯に行い、入浴や換気の影響を避けると比較がしやすくなります。
結露の観察ポイント
結露は断熱不足や換気不足のサインですので、発生箇所と頻度をチェックしてください。
窓ガラス表面だけでなく、サッシの溝やゴムパッキン周辺も観察ポイントです。
水滴の発生が毎回同じ場所に集中する場合は、断熱材やシールの劣化を疑いましょう。
カビ臭や黒ずみが見られるときは、早めに換気と拭き掃除を行ってください。
夜間の結露は窓の内外の温度差で起きやすく、朝の拭き取りだけで済ませないよう注意が必要です。
定期点検の目安
- 毎月の簡易チェック
- 季節の変わり目の詳細点検
- 年に一度の総合点検
毎月のチェックでは、結露の有無とシールの剥がれを確認してください。
季節の変わり目には、断熱フィルムの浮きや隙間テープの硬化を詳しく見てください。
補修のタイミング
補修は早めが肝心で、小さなほころびを放置すると大きな手直しが必要になります。
隙間が目視でわかる程度に広がったときは、隙間テープやシール材で補修してください。
断熱フィルムが大きく剥がれたり気泡が増えた場合は、貼り替えを検討したほうが効果的です。
カビが広範囲に及んでいるときは、素材の交換や専門業者への相談をおすすめします。
補修後は同じ手順で断熱性能の簡易測定を行い、改善が確認できるかどうかを確かめてください。
まずは窓のサイズと隙間、結露の有無を実際に確認してください。
短時間で効果を出したい場合は、隙間テープと断熱フィルム、または気泡緩衝材を優先して用意しましょう。
予算と耐久性を重視するなら、内窓の後付けやスタイロフォーム、発泡パネルの導入を検討されると良いです。
工具と防水材を揃え、採寸後は下地をしっかり清掃してから施工を始めてください。
施工後は断熱性能と結露の発生を一週間ほど観察し、必要があれば微調整や補修を行ってください。
不安が残る場合は、見積りだけでも専門業者に相談することをおすすめします。