新しい窓を検討するとき、樹脂窓の価格の幅に戸惑い、見積もり比較で時間を浪費してしまう方は多いです。
メーカーやガラス種類、枠仕様、施工条件で総額が大きく変わるため、何にどれだけ費用がかかるのか分かりにくいのが問題です。
この記事では樹脂窓の価格相場と内訳を分かりやすく解説し、窓タイプ別や施工込みの目安まで具体的に整理してお伝えします。
サイズ別・ガラス構成別・メーカー別の傾向や地域差、長期コストまで押さえて、後悔しない選び方ができる情報を用意しました。
見積もりの読み方や業者選びのポイント、補助金や既存枠活用など実践的な節約テクも実例付きで紹介します。
まずは相場感を掴むために、次の章「樹脂窓の相場と内訳」から順にご覧ください。
樹脂窓 価格の相場と内訳

樹脂窓の導入を検討する際には、本体価格だけでなく施工費やガラスの仕様まで含めた総額を把握することが重要です。
ここでは窓サイズやタイプ、ガラス構成、メーカー別の目安、施工込みでの価格、地域差や長期的なコストまで解説します。
窓サイズ別価格帯
窓の大きさは価格に直結します、一般的に面積が大きくなるほどガラスや枠材の材料費と施工時間が増えます。
小窓やトイレのはめ殺しサイズであれば比較的安価で、1枚あたり3万円前後からの製品もあります。
中間サイズの幅1m前後の引き違い窓は5万円から15万円が目安です、ガラスやオプションによって上下します。
大きな掃き出し窓や高所の大開口は20万円以上になることが多く、特注サイズはさらに高額になります。
窓タイプ別価格帯
窓の開閉方式や構造によって製造の手間と部品が変わり、価格差が生じます。
窓タイプ | 価格帯(目安) |
---|---|
引き違い窓 | 3万円~15万円 |
開き窓 | 5万円~20万円 |
縦すべり窓 | 6万円~18万円 |
はめ殺し窓 | 2万円~12万円 |
上表はあくまで目安で、同じタイプでもサイズやガラスの種類で価格は変化します。
ガラス構成別価格帯
ガラスの種類は価格差が大きく、断熱性や防音性能に直結します。
単層ガラスは最も安価で、廉価な窓に使われることが多いです。
複層ガラス(ペアガラス)は一般的な選択肢で、価格は単層よりも数千円から数万円高くなります。
トリプルガラスはさらに高価で、断熱性能や結露抑制を強く期待する場合に選ばれます。
メーカー別価格帯
メーカーによって価格帯とラインナップが異なり、ブランド力や保証内容が価格に反映されます。
大手メーカーは企画生産で安定した品質とアフターサービスを提供しますが、中小メーカーや輸入品は価格で優位になる場合があります。
実際の選定では価格だけでなく保証年数や部品供給の継続性も確認することをおすすめします。
施工込み価格目安
施工費を含めた総額は、現場の状況や撤去作業の有無で変動します。
- 小窓 幅60cm程度 施工込み 5万円~
- 標準窓 幅100cm程度 施工込み 8万円~20万円
- 掃き出し窓 大開口 施工込み 15万円~40万円
- 複層ガラスアップグレード 追加料金 1万円~6万円
上記は一般的な目安で、古いサッシの撤去や内装の補修が必要な場合は別途見積もりが発生します。
地域差と出張費
地域によっては人件費や交通費の違いから同じ工事でも価格差が出ます。
都市部では施工業者の競争が激しく、比較的安価に施工できることが多いです。
離島や山間部では出張費や宿泊費が上乗せされるため、総額が高くなる場合があります。
見積もりを依頼する際は出張費や追加費用の有無を必ず確認してください。
長期コスト(寿命・メンテナンス)
樹脂窓は腐食しにくく、メンテナンスが少なく済むため長期的には有利な選択になることが多いです。
枠材の耐用年数は概ね20年から30年程度が目安で、ガラス自体はさらに長く使えるケースが多いです。
しかし、ゴムパッキンの劣化やハンドルなどの可動部は定期的な点検と交換が必要になります。
初期投資が高くても、断熱性能による光熱費削減で回収できる可能性があるため、ランニングコストを含めた試算を行うと良いです。
価格を左右する要素

樹脂窓の価格は商品ラベルの数字だけで判断できるものではありません。
複数の要素が組み合わさって最終的な金額が決まります。
ここではサイズやガラス、枠材、施工方法、既存窓の状態という観点から、価格にどう影響するかを丁寧に解説します。
サイズ
窓の面積が大きくなるほど材料費が直線的に上がります。
横幅や高さが特殊な場合はオーダー扱いになり、割高になることが多いです。
また、規格サイズから外れると輸送や取り扱いの手間が増え、施工費も高くなる傾向があります。
一方で同じ面積でも縦長や横長など形状によっては加工の難易度が変わり、追加費用が発生する場合があります。
ガラス種類
ガラスの仕様は価格に対する影響が大きく、断熱性能や安全性の向上はそのままコストに反映されます。
以下の表は主要なガラス種類と特徴、価格への影響を簡潔に整理したものです。
ガラス種類 | 主な特徴 | 価格影響 |
---|---|---|
単板ガラス | 薄型 単層 | 低 |
合わせガラス | 飛散防止 強化効果 | 中 |
複層ガラス | 断熱性向上 気密層 | やや高い |
トリプルガラス | 高断熱 高性能 | 高 |
Low-Eガラス | 遮熱 省エネ効果 | やや高い |
複層化やLow-E処理、アルゴン封入などのオプションは断熱性能を高めますが、価格も段階的に上がります。
防音や防犯といった性能を重視すると、さらに専用ガラスや組み合わせが必要になり費用が増えることが多いです。
枠材の仕様
樹脂枠のグレードや肉厚、補強材の有無は価格に直結します。
例えば、アルミとの複合枠は見た目の高級感と強度を両立しますが、その分コストが上がります。
色や表面仕上げ、樹脂の耐候性なども選択肢によって価格差が出ます。
さらに、ハンドルやロックなどの金物グレードを上げると、細かな差額が積み重なって総額に影響します。
施工方法
施工方法の違いで最終的な請求額は大きく変動します。
以下に代表的な施工方法をまとめます。
- カバー工法
- 既存枠交換
- 内窓設置
- 全面取り換え(解体を伴うリフォーム)
カバー工法は既存枠を残して新枠を被せるため工期が短く費用を抑えやすいです。
既存枠交換や全面取り換えは下地処理や補修が必要になるケースが多く、手間と材料で高くなる可能性があります。
既存窓の状態
既存窓の状態が悪いと、思わぬ追加費用が発生します。
腐食やシロアリ被害、下地の腐りなどがある場合は補修工事が必要になります。
窓周りの断熱材やサッシの歪みがあると調整や下地補強が発生し、施工時間と費用が増えることがあります。
また、既存窓を取り外す際の廃材処理や足場が必要になる場合には、見積もり段階で明確に確認しておくことをおすすめします。
窓タイプ別の具体的な費用目安

窓のタイプによって本体価格と施工費の比率が変わり、同じサイズでも数万円から数十万円の差になることがあります。
ここでは一般的な樹脂窓を想定して、タイプ別の目安価格と注意点をわかりやすく示します。
引き違い窓
引き違い窓は住宅で最も多く使われるタイプで、サイズ充填が広いためコストレンジが大きくなります。
標準的なサイズ例として、幅1600×高さ1200mmクラスの本体価格目安は40,000〜120,000円で、施工込みだと60,000〜180,000円程度が目安です。
大きな掃き出し窓やオーダー品になると本体と施工で30万円以上になることもありますので、事前にサイズを確定して見積もりを取りましょう。
- 幅1000×高さ1000mmクラス
- 幅1600×高さ1200mmクラス
- 掃き出し窓 幅2000mm以上
開き窓
開き窓は個室や換気用に使われることが多く、造作や取付位置により施工難易度が変わります。
本体価格の目安は30,000〜100,000円で、施工込みでは50,000〜150,000円程度が一般的です。
外側に開くか内側に開くか、網戸やクレセントの仕様で金額が前後しますので、オプションは見積もりで確認してください。
縦すべり窓
縦すべり窓は防音性や気密性を求める場所に向いており、機構が複雑な分価格はやや高めになります。
本体価格は40,000〜110,000円が目安で、施工込みでは60,000〜170,000円程度になることが多いです。
上下のバランスや建物への取り付け方法で追加費用が発生する場合がありますので、既存枠との適合性を確認してください。
はめ殺し窓
はめ殺し窓は開閉機構がないため本体コストは抑えやすく、デザイン窓や大開口のアクセントに使われます。
本体価格の目安は20,000〜80,000円で、施工込みだと40,000〜120,000円程度が一般的です。
ただしサイズが大きい場合や特殊なガラスを選ぶ場合は価格が跳ね上がりますので注意が必要です。
複層ガラス
複層ガラスは断熱性と結露抑制で人気があり、ガラスの仕様で価格が細かく変わります。
ガラス種別 | 本体価格目安 | 特長 |
---|---|---|
通常複層ガラス | 15,000〜40,000円 | 基本的な断熱性 |
Low-E複層ガラス | 25,000〜60,000円 | 高断熱と日射調整 |
遮熱Low-E複層ガラス | 30,000〜80,000円 | 夏期の熱対策に有効 |
上記はガラス本体のみの目安で、樹脂サッシとの組合せや施工費を加えると総額が増えます。
複層ガラス化は光熱費の削減につながるため、中長期的なコストと合わせて判断することをおすすめします。
トリプルガラス
トリプルガラスは断熱と防音で最高レベルを求める場合に選ばれ、導入コストは高めです。
本体価格目安は60,000〜150,000円で、施工込みでは100,000〜300,000円程度が相場になりやすいです。
寒冷地や高い省エネ基準を目指す住宅では投資効果が期待できますが、費用対効果を複数社の見積もりで比較することが重要です。
見積もり取得と業者選びのポイント

窓交換やリフォームは金額が大きくなりやすく、業者選びで満足度が左右されます。
見積もりの取り方や比較ポイントを押さえて、後悔のない発注を目指しましょう。
相見積もり
相見積もりは必須のステップです。
複数社の価格だけでなく、提案内容や工期、使用材料の違いを比較してください。
安さだけで決めると後から追加費用が発生しやすいので注意します。
- 価格比較
- 材料仕様
- 施工スケジュール
- 保証期間
- アフター対応
見積書内訳
見積書は内訳が明確かどうかを最初に確認します。
工事費や材料費、諸経費が分かれていれば、比較がしやすくなります。
項目 | 内容 | 目安金額 |
---|---|---|
窓本体 | アルミ樹脂複合など | 商品代 |
施工費 | 取付け工事 | 作業代 |
廃材処理 | 既存窓の撤去処理 | 処分費 |
諸経費 | 交通費 見積書発行費用 | 雑費 |
項目ごとに単価や数量が書かれていると、不明点を指摘しやすくなります。
保証内容
保証は商品保証と施工保証の二種類があります。
商品の破損や初期不良に対する保証期間はメーカーにより差が出ます。
施工ミスへの対応は業者ごとに異なるため、書面での明示を求めてください。
保証適用の条件や、免責となるケースも必ず確認します。
施工実績
施工実績は技術力と信頼性の目安になります。
写真や施工事例を見せてもらい、似た条件の事例があるかを確認してください。
レビューや顧客の声も参考になりますが、評価の偏りに注意しましょう。
可能であれば現地調査に来てもらい、具体的な提案を出してもらうと安心です。
資格と許認可
業者が必要な許認可や保険に加入しているかを確認します。
建設業許可や産業廃棄物処理の資格、損害保険の有無は重要なチェック項目です。
有資格者が施工に関わるかどうかも質問して、証明書類を提示してもらってください。
違法な施工や無許可業者を避けることで、後々のトラブルを防げます。
費用を抑える実践テクニック

窓リフォームの費用を下げるには、計画と交渉が重要です。
この章では補助金の利用や工事の段階的な進め方、既存枠の活用など実践的な手法を紹介します。
補助金・助成金活用
地方自治体や国の省エネ支援制度を利用すれば、窓交換や内窓設置の負担を大きく軽減できます。
対象となる条件や申請期間は自治体ごとに異なるため、事前に必ず確認してください。
- 省エネ改修補助金
- 住宅リフォーム支援補助金
- 地域独自の断熱改修助成
- 高齢者向けバリアフリー助成
申請には見積書や施工計画書が必要になることが多く、工事前に業者と連携して書類を揃えると手続きがスムーズです。
内窓設置での段階的対策
全窓を一度に交換するのではなく、まずは効果が高い場所から内窓を導入すると費用対効果が良くなります。
例えば断熱や防音の効果が特に必要なリビングや寝室を優先するのが基本です。
内窓は工事が比較的簡単で施工時間も短いため、短期的に暮らしの快適さを改善できます。
後で外窓の交換を検討する際も、内窓を先に導入しておけば総合的な費用を抑えられることが多いです。
既存枠利用
既存の窓枠を活かす工法は、解体費や下地補修のコストを抑えられるメリットがあります。
ただし枠の劣化具合や気密性の低下がある場合は、補修費用との比較検討が必要です。
対応方法 | 主な特徴 |
---|---|
既存枠利用(はめ替え) | 工期短縮 コスト抑制 |
カバー工法 | 仕上がり良好 現場負担小 |
枠交換 | 気密断熱性改善 長期耐久 |
現地調査で枠の状態を専門業者に診断してもらい、どの工法が最適かを判断してください。
オフシーズン施工
窓工事は季節によって需要が変わるため、閑散期を狙うと見積もりが安くなることがあります。
一般に春先や秋の穏やかな時期は業者のスケジュールに余裕があり、交渉がしやすくなります。
ただし台風や寒波のシーズンに近いと施工品質に影響が出る恐れがあるため、天候リスクは確認してください。
一括発注・複数箇所割引
複数窓を同時に発注すると、材料費や施工の効率化で割引を受けやすくなります。
近隣で同時期に施工する案件がある業者なら、さらに輸送費や工程管理のコストを下げられる場合があります。
見積もりの際は窓一枚あたりの単価を確認し、単発工事と一括発注の差を比較してください。
最後に、小さな施工範囲の追加や段取りの変更で逆に割高になることもあるため、割引条件の詳細は書面で確認することをおすすめします。
購入前の最終確認ポイント

購入前に押さえておきたい最終チェックを、簡潔にまとめます。
価格だけでなく、施工内容や保証、納期、施工後のメンテナンスまで必ず確認してください。
- 見積もりの内訳確認
- 施工保証の有無と期間
- 施工日程と近隣対応
- 既存枠の取り扱い方法
- 補助金や助成金の適用可否
疑問点や条件は見積書や契約書に書面で残して、お互いの認識を合わせておくと安心です。